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JULY 2010
Claude Young Jr.

Interview & Text: Takamori Kadoi7月10日(土)、MICROCOSMOSの人気パーティ 「2010: An Inner Space Odyssey」にデトロイトテクノきっての実力派DJ、クロード・ヤングJr.の参加が決定!
Interview & Text: Takamori Kadoi
デトロイトで地元のDJやクラバーたちに「誰が一番いいDJ?」と聴くと、必ずジェフ・ミルズ、テレンス・パーカーと並んで挙げられるのが、このクロード・ヤングJr.である。00年のWIREへの出演後、05年に日本へ移住。長男誕生後しばらくの活動休止を経て、09年後半よりDJ活動を本格的に再開。その実力は衰えるどころか、進化を遂げている。最近ではAutechreの東京公演に直々のオファーを受け出演するなど、注目すべき活躍を見せている。今回7/10(土)に、ここMICROCOSMOSで開催されている「2010: An Inner Space Odyssey」への参加が決定。テクノの聖地、デトロイトきっての実力派DJに話を伺う機会を得た。

今年1月にMicrocosmosでプレイした印象は?

<Claude Young Jr.:以下CY>ここでプレイするのは大好きだよ。素晴らしい場所だと思うし、独特な雰囲気のある場所だよね。オーディエンスとの距離が近い、よりアットホームな雰囲気のパーティをやるには最高の場所だよ。集まってくるお客さんもいい感じだし、働いているスタッフもいい人ばかりだ。そのうえ、サウンドシステムもいいし、DJブースも素晴らしい。こういうお店では、ときどき魔法みたいないいパーティが起きるんだ。

クラブとは、また違った良さがありますよね。幅広く選曲もできるんじゃないですか?

<CY>ハードなテクノばかりかけなくても、いいからね。というのも、90年代後半にロンドンに住んでいたころは、「ハードテクノ」に縛られてしまった。ボクが最初にDJをはじめたころと違って、人々がDJを細分化されたジャンルにカテゴライズするようになってしまった。「キミはハードテクノのDJ」とか、そういう風にね。それはつまらないことだと思ったよ。ボクはテクノでも、ハウスでも、クラッシックスでも、なんでもかけるのにね。日本に来て、活動を休止して、カムバックしたことで、自分がやりたいようにプレイできるようになった。7月10日のパーティではクラッシックスやオールドスクールなものをかけようと思っているよ。

それは、とても楽しみです。今回のパーティには「2010: An Inner Space Odyssey」というSF映画からインスピレーションを受けたタイトルがつけられています。あなたもRobot Rebellion(ロボットの反抗)やSolar Feelings (太陽のフィーリング)、Dark Forces(ダークフォース)など、SF的なモチーフを好んで使っていますね?

<CY>ボクはSFオタクだからね(笑)。SF的なものについては、ずっと好きだし、今でも大好きだ。音楽だけではなく、あらゆるモノの見方に深く影響を受けていると思う。ボクは、常に先のことを考えるように心がけているよ。

デトロイトテクノのアーティストはどうして宇宙や未来をモチーフにするのでしょう?日本のジャーナリストが言うようにアフロフューチャリズム(アメリカ黒人のルーツはアフリカではなく、宇宙であるとする考え方)と関連があるのでしょうか?

<CY> ボクもアフロフューチャリズムは理解できるよ。でも、日常の些細な事は、もっと広い視野を持って考えれば、意味がないだろ?人々は物事を広い視野を持って見る事を忘れがちだ。だから、世界は最悪な状態になってしまっていると思う。一日14-18時間も働いて、お金を稼いで、モノを買って、消費する。死んでしまったら、買ったモノは無意味になるのに。そういうことを考えないよね。人生は短いんだから、やりたくないことをやるなんて、おかしいじゃないか。それより、未来のことを考えたり、人類の進化を考えたり、さらに高いレベルのことを考えるべきだと思うんだ。

なるほど。でも、どうしてシンセサイザーを使って、テクノだったのでしょう?他の音楽をやることだってできたでしょう?

<CY>それは、デトロイトで受けることができる、さまざまな影響が入り交じって、それぞれのアーティストたちが独自の形で発展させたものだと思う。その影響を語るときに、デトロイトのラジオDJたち、エレクトリファイン・モジョや、ボクの父親のようなラジオDJたちが(黒人音楽もテクノポップのような白人音楽まで)音楽をカテゴライズすることなくプレイしていたことは無視できない。それと、モータウンも重要だ。

その時代の他の場所の音楽を聴くと、2拍と4拍が強調されているけど、モータウンは四つ打ちに近かったんだ。当時からデトロイトは他と違ったことをやっていたんだよね。60年代〜80年代のデトロイトは音楽にとってすばらしい場所だった。そして、もちろんデリック・メイ、ホアン・アトキンス、ケヴィン・サンダーソンたちが築いてくれたデトロイトテクノの基盤というのも凄く重要だ。

なるほど、デトロイト・テクノのような黒人音楽の突然変異を誘発するような、独特の音楽文化があったわけですね。

<CY>あと、ウルトラマンだ(笑)。日本人にとっては、子供の頃から普通にあったものだから、笑うかもしれないけど。ウルトラマンは、学校から帰る時間にやっていて、みんなが見ていたんだ。次の日になると、みんなが学校でその話ばかりしていた。あんなものを誰も見た事なかったからね、本当に衝撃だった。実際に、ウルトラマン的なビジュアルがジャケットに使われていたり、音楽にだってそういう要素が感じられるだろ?AUX88のKeith Tuckerはデトロイト一のウルトラマンオタクだ。彼はスタジオにウルトラマンの写真を貼ってたりするんだぜ!だから、アフロフューチャリズムよりも、日本からの影響のほうが強いかもしれないよ。アメリカのアニメは子供っぽいものばかりだから、日本のアニメはディープだと思った。その影響は強いよ。だから、その後Kraftwerkに出会ったときに、あのロボティックでフューチャリスティックなものを自然に受け入れられたのだと思う。(筆者注:ジェフ・ミルズやデリック・メイもSFからの影響を口にしている。URの本拠地Submergeにバルタン星人の人形が飾られているという証言もあった)

では、テクノとは何でしょう?

<CY>ボクにとっては、先のことを考える事、一歩先のことをやることだよ。音楽的にはなんでも思いつく事をやってみるというか。昔はサンプラーとドラムマシンしかなかったけれど、いまではラップトップだってある。すべてのイマジネーションは表現することができるようになった。でも、テクノロジーのおかげで可能性が狭められている側面もある。多くの人は重要な事を見失ってしまった。たとえば、トレンディなことをやって、それで有名になろうとする奴もいる。重要なことは、自分だけのオリジナリティを表現することだ。自分なりのひねりを加えることが、これからテクノがさらに進化するために重要なことだろう。コピーじゃダメだ。自分の音楽を、例えそれがトレンドじゃなくても、やりつづけるんだ。そうすれば、いつかみんなが追いかけてくるかもしれない。とにかく、人と同じことをやっちゃだめだ。

DJもいっしょだ。DJがみんな同じことをやっているように聴こえるときがある。テクニックがうまくても、同じようなものばかりかけていたり。変化球がなかったりする。自分が影響を受けた音楽などを、うまく取り入れたりすればいいと思う。それがオリジナリティになるんだ。あとは、自分の音楽をあきらめないで、やりきる気持ちが大切なんだ。 結局は人間のマインドの問題なんだから。テクノロジーじゃないよ。

最後にこのインタビューを読んでくれた人々に一言!

<CY>では皆さんパーティでお会いしましょう!


Claude Young Jr.
ワールドワイドクラスDJ/アップルマスター/ビデオグラファー/ウェブデザイナー。数えきれない程の肩書きを持つ、デトロイト出身のプロデューサー。日本に対し現在も非常に大きな敬意を抱き、日本文化にも興味を抱き友情を徐々に確立。電気グルーヴの石野卓球氏や、ケンイシイ氏と友情を深め、日本に深く紹介される様になる。現在は、日本を拠点とし世界を飛び回っている。

URL: www.myspace.com/claudeyoung   国内問い合わせ:inquiry.cy@gmail.com
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