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MONTHLY CHIT CHAT

●フランソワがMICROCOSMOSに登場するのは早くも3回目となるのですが、過去2回プレイした感想はどうでしたか?

<フランソワK:以下F>うん、僕のテーマを一言でいうと・・リラックス。みんなに聴かせたい良い音を、ハウスやエレクトロだけじゃなく、いろいろなジャンルからセレクトしてかけられる空間だと思う。それはすごく大切なこと。

●踊るより、むしろ聴いてもらうことを重視する感じでしょうか?

<F>それはもちろん、どちらもだけど。でも、メインフロアでは立ちっぱなしのクラブと違って、ここはたくさん椅子やテーブルがあるよね。だから、いっぱい踊ってちょっと疲れたら、休んだり話したりできる。そんななかで、いろんな音のスタイルをみんなで分け合うことができるのは素晴らしいと思うよ。いつも一つのスタイルだと、つまんなくなっちゃうでしょ(笑)。だから、ここでプレイする前には、多くの音楽をあらためて学んでくるようにしてるんだ。R&B、HIP HOP、ドラムンベース・・・選曲でオーディエンスにサプライズを与えられたら、うれしいしね。

<村田大造(ミクロコスモス・プロデューサー):以下M>フランソワのプレイは、タイムマシーンだよね。いろんな時代、いろんな場所への旅に連れてってくれる。

●フランソワと大造さんの最初の接点は、いつだったんですか?

<M>イエローの“World Connection”だね。


<F>1992年の2月9日だよ。イエローができてから半年くらい経ってたのかな?

●いや、2ヶ月も経ってないですね。

<M>本当?そんなにすぐだったんだ。へえ。

<F>当時イエローにあったレイオーディオのサウンドシステムを見て、フランソワがすごく感激してくれたのを覚えてるよ。

●NYでの最近の活動を教えてください。

<F>“deepspace”はCIELOでやってるんだけど・・(残念そうに)行政なんかがナーバスになっててね。じつは7月の20日から1ヶ月くらい閉店してたんだ。ポリティカルな問題で、しょうがない部分もあるんだけど。

<M>え?そうなんだ・・。NY以外はどう?世界中でプレイしてて最近感じることは?

<F>
今年は行ってないんだけど、やっぱりIBIZAはよかったね。まあ、IBIZAに限らず、いろんな国で相変わらず楽しくパーティはやってるよ。フェスとか夏場の大きなイベントも含めてね。特にすごいと思うのは、ベルリンのBERGHAIM。土曜日の0:00からパーティが始まって、終わるのが日曜の昼2:00くらい。誰も全然時間を気にしてないし、好きなように踊って酒を飲んで・・それはもう楽しいよ。だから比べちゃうと、最近のNYはいろんなことをすごく気にしながらやってる感じだよね。

<M>リーマンショックの影響なんかもあるのかな?

<F>うーん、それについてはクラブシーンに直接の影響は感じないけどね。みんな頑張ってるし、むしろ不景気で大きな不動産が空いてるから、近いうちに新しいクラブができたりするかもしれない。

●以前と比べて、クラブに来る人たちの価値観が変わったようには感じますか?

<F>僕たちがいつも言ってるのは、6年サイクルくらいでオーディエンスの意識は変わるよねってこと。その話は、本当に昔からしてるよ。たとえば21歳くらいで遊び始めた人が、27歳で子供ができてライフスタイルが静かになったりする。みんながずっとナイトライフを続けていけるわけじゃないからね。そうすると当然オーディエンスの世代交代が起こる。ここ2,3年はエレクトロのお客がすごく増えたよね。ミニマルはみんな疲れちゃったのかな(笑)。

<M>エレクトロのすごくかっこいい曲、こないだもかけてくれたよね。

<F>ロックと同じで、ちゃんとメロディがあって。まあ、エレクトロもずっと聴いてると疲れるけどね(笑)。ノイジーなギターの音とか。でも、エナジーを感じるよ。フランスで行ったエレクトロのパーティは、まるでロックコンサートみたいだった。フロアにダイブする人がいたり(笑)。

●フランソワがDJを始めたのは、いつだったんですか?

<F>77年。その頃は、他に誰もDJやってる人なんかいなかったけどね。

<M>当時は何かけてたの?

<F>人気のディスコミュージックとか、R&Bとか、フィラデルフィアとかかな。でも、使うレコードも少なかったよ。一晩のプレイ用に、40枚くらいバッグに詰めてそれで終わり、みたいな。

●本当に先駆者というか圧倒的なキャリアをお持ちなわけですが、現在プレイする時に最も大切にしていることは何でしょう?

<F>心でプレイする。ただそれだけ。機械みたいなプレイは、テクニカルできれいかもしれないけど、そこにオーディエンスを揺さぶる感情はないよね。だから、心でプレイすること。他に大事なことなんて、何もないよ。

<M>確かに機械みたいなプレイをするDJって増えてるよね・・。

<F>でもそれは、前からいたよ。何かが流行ると、すぐスタイルをコピーする人とか。スピリットのないDJは昔からたくさんいて、それは何も変わってないと思う。

<M>フランソワとは全然違う・・

<F>だからこそ、Tスコットやリル・ルイス、ラリー・レイバンみたいな本物のスピリットをもったDJたちの価値は大きかったんだよ。

<M>
みんな偉大なDJたちだよね。PCのおかげで、誰でも簡単にDJができるようになったからっていうのも、あるのかな?

<F>だけど、曲のセレクションまで簡単になったわけじゃないでしょ?PCが曲をかけるんじゃない。人がかけるんだからね。どういう風にプレイするかが大事なんじゃなくて、そこにどんなメッセージを込めるかが大事なんだよ。

●AIRマンスリー8月号の表紙に載った「My treasure is “Knowledge”. My life is “Sharing good vibes”」というあなたのメッセージには感動しました 。まさにあなたのプレイの本質を感じるというか。これは、常日頃から考えていたことなのでしょうか、それとも質問されてとっさに出てきた言葉なんですか?

<F>
考えてたっていうより、そのとき自然に出てきた感じだね。でも、なかなかいい言葉だよね(笑)。

●これからの10年で目標にしていることはありますか?

<F>
あるけど、言えない(笑)。まあ、DJとしては、テクノロジーを駆使していろんな音のエレメントをコラージュしていく、リアルタイムのインプロビゼーションをもっと突き詰めていきたいかな。そのために、これからはWEBの環境がもっと大事になるかもしれない。それと、スタジオで自分の音をもっと創りたいけど、時間がなくてなかなか難しいんだ。最近はPCがあるから、旅をしながら創ったりもしてるけどね。それも、リリースするための音じゃなくて、自分のDJセットに使うためだけの音とか。あと、実はいますごいプロジェクトが動き出してるんだけど、これはまだシークレットだね。

●最後に、これからの若いアーティストへのメッセージを。

<F>学ばなければいけないことは、たくさんあるよ。頑張ってください(笑)。いやでも、本当にこれからはテクノロジーの分からない人は厳しいと思う。インディーズロックのバンドだったらいいかもしれないけど(笑)、DJやエレクトロニックミュージックをやりたい人はね。さっきの”Knowledge”という言葉には、そういう意味も含まれてるんだ。昔は「Love is the Message」だけでよかったんだけどね。だから・・頑張ってください!

●AIRマンスリー8月号の表紙に載った「My treasure is “Knowledge”. ありがとうございます。今日のプレイも楽しみにしてます!

<F>
ありがとう。

FRANCOIS K.

NYのクラブ草創期より活躍。ダニー・クリビット、ジョー・クラウゼルとのパーティ”BODY & SOUL”等多彩な活動でシーンの歴史を築いてきた最重要人物である。つねに現在進行形の革新を繰り返すその創作スタイルは、世界中のDJ/アーティストたちに多大な影響を与え続けている。

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