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●ルイはミクロコスモスに来たのは初めてですよね。どんな印象ですか?
<ルイ:以下L>店内を見渡しながら)面白いね…。木や骨のような柱とか、オーガニックな素材がたくさん使われていて。すごくスタイリッシュだよ。この空間が深夜どういう風にクラブへ変化していくのか、楽しみだな。壁の額なんかのデコレーションも、とても興味深いね。
●ルイとヒサさんの最初の出会いは、どんな感じだったんですか?
<L>いつだっけ?ヒサ。
<ヒサ:以下H>最初に出会ったというより、ルイがプレイしてるのを初めて聴いたのがCHOICEだった。リチャード・バスケスとラリー・レヴァンのパーティに、とてもスゴいDJがゲストでいるって聞いたんで行ってみたんだ。そこでプレイしてたのがルイだった。
<L>CHOICE(昔のLOFT)で演らないかって、リチャードから声がかかって。伝説的なDJたちがプレイしてきた場所だったから、すごく光栄だったね。
<H>それで次に会ったのがSOUND FACTORY BAR。あそこも、いいクラブだった。
<L>本当に。貴重な空間だったよ。
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●ヒサさん、ニューヨークに単身移住してレーベルを作るっていうのは大きなチャレンジだったと思うんですが、どんな経緯でそれをやろうと決心されたんですか?
<H>そうだなあ・・・。ニューヨークに渡ってPARADISE GARAGEとかCHOICEといった、アンダーグラウンドなクラブに行き出して、そこでプレイされてる音楽やヴァイブ、それから空気感みたいな物すべてが、すごい衝撃的な体験だったんだよね。で、そこからクラブプロモーターみたいなことをやり始めたんだけど。当時はハウスミュージックが出てきたばっかりでさ、日本のレコード会社からハウスのコンピレーションCDのA&Rをやってくれないかって依頼があったりもして。 |
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だから「レーベル作る決心」とかいうよりも、自然な流れで「とりあえずレコードを1枚プロデュースしてリリースしてみようか」っていうのが始まりだったんだよ。最初は月に1枚だったリリースが、そのうちコンスタントに2枚、3枚リリースできるようになって、2−3年目くらいからコンピレーションCD
や、アーティストアルバムも手掛けていけるようになって・・・気がついたら、16年経ってた・・・みたいな感じですね。
●なるほど。ルイ、NYのハウスDJたちにとってKING STREET SOUNDSというレーベルはどんな存在なんですか?
<L>90年代のハウスDJたちを集める磁場だったね。俺たちには固い絆があったんだ。俺がプレイしたほとんどのクラブで、他のDJもヒサのレーベルの曲をよくかけてたよ。ヒサはとても良い耳をもっていて、俺が好きな音楽を知ってる。曲をかけるたびに思うよ。NYのアンダーグラウンド・ハウスミュージック・レーベルの頂点であり、原点はKING STREET、STRICTLY RHYTHM、NERVOUS RECORDS。つねにこの3つだね。ハウスミュージックについて学びたいときは、この3つのレーベルから学ぶべきだよ。ヒサのレーベルは、インディペンデントの中でも最も歴史があるんじゃないか?だよな?俺にとっては、ハウスミュージックのバイブルのようなものさ。 |
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●ルイの長いキャリアの中で、特に重要だったと思うクラブやパーティはありますか?
<L>1992年から97年までのSOUND FACTORY BAR。その5年間、音楽業界のやつらはみんな俺たちのパーティに集まってたよ!DJやアーティストがね。俺が水曜に回して、金曜はフランキー・ナックルズ。デビッド・デピーノは日曜だったっけ。毎晩違うDJがプレイしてた。クラブは6日連続で営業してたからね。800人くらいのミディアムサイズの空間でさ。あとは、やっぱりVINYLかな。シーンを作りあげるのに、VINYLはすごく重要な存在だった。
●お二人から見て、現在のニューヨークのクラブシーンはどうでしょう。90年代と比べて、ややパワーダウンしている感は否めませんか?
<L>うーん、そりゃ変わったよね。70年代と80年代のクラブシーンはとてもビッグで、90年代にはすでに変わり始めてた。その時代にハウスミュージックは一番成長したんだけどね。本当に。 |
今は、小さめのクラブがどんどん増えてきてるよ。CIELOとか。350人くらい入れるスペースで、フランソワが月曜にやってて、俺は水曜日。みんなあの空間が好きだから、よくプレイするね。大きなクラブはもうMANSION(M2)くらいしか残ってないかな。あそこのキャパは2,500人から3,000人くらい。最近はクラブの規模は小さいけど、パーティの数は沢山あるよ。DJでプロモーターを兼ねてる人もパーティやってるし。俺は“ルーツ”と“ダンスリチュアル”というパーティをやってて、フランソワは“ディープスペース”。NYにいると、毎晩行く場所があるんだ。1日に同じようなパーティが5つも6つもあるんじゃなくて、個性の違うとてもいいパーティが2つあるような、そんな状況だね。
<H>あと、WATER TAXI BEACHなんかもあるよね。
<N>そう、今NYは屋外のイベントが増えてきてるよ。WATER TAXI BEACHでは、NYシティの風景を目の前で楽しむことができるんだ。夏はボートに乗ったりね。ビーチ、ボート、港、WATER TAXI BEACHやコニーアイランドの海沿いとかで、いろんなパーティをやってるよ。とても美しいんだよ。俺たちの音楽を聴きながら、NYのスカイラインを眺めて、そのうち陽が暮れてきて・・・。昼も夜も違う楽しみ方ができる。違う雰囲気だからね。
●ルイもヒサさんも何度も東京へいらっしゃってますが、東京のシーンにも変化は感じますか?
<L>日本に来る時は毎回特別なイベントで呼ばれるから、オーディエンスの集客も約束されていて必ずいい夜になるけど、きっと普段は必ずしもそうじゃないんだろうな。今はエレクトロやエレクトロポップが流行ってるからね。でも、サイクルって必ずあって、80年代のポップ全盛期が終わって90年代はアンダーグラウンド・ハウスミュージックが栄えたように、またいつかハウスの時代は戻ってくるよ。昨夜も遊びに行ったんだけど、残念ながら大して人はいなかった、昔のようには。それでも音楽を続けていかなくちゃ。俺たちには俺たちの音楽への情熱があるし、情熱のある人もまだ来てくれてるんだし。続けていかなくちゃ。 |
●ヒサさんはどうですか?
<H>うーん、イエローがなくなったのは、やっぱり大きいかなって思うよね。
<L>俺は年に一度は日本に来たいと思ってるよ。ヒサはどこなら俺の音楽がワークするか分かってくれてるし、どうしたら俺たちの音を求めてくれるオーディエンスを集められるか、どのプロモーターと組むべきか、とかもね。お金になるからとかじゃなくて、俺は自分に合ったシチュエーションでプレイしたいし、みんなに悦んで帰ってもらって、また来年ってね。今一つのプロジェクトを進めていて、もうすぐ俺のミックスCDが出るんだ。次回の来日では、それを持ってくるから楽しみにしててほしいな。 |
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●それは楽しみですね。今夜のプレイに向けての意気込みを聞かせてもらえますか?
<L>今回はすごくコンセプチュアルなパーティになるよ。今夜はFLASHBACKで、土曜日のAIRはKING STREET SOUNDSのダンスリチュアルパーティ。FLASHBACKは長年ニューヨークでやってきたパーティで、自分が大きな影響を受けてきた音楽で構成するんだ。70年代からの、良い思い出が詰まった音楽でね。だから今夜はとても大切な夜だよ。歴史を振り返る夜。オーディエンスは、音楽についてきっと何かを学んでくれると思う。俺は自分の曲のセレクションが好きだし、テクニカルな部分にファンはクリエイティビティを感じてくれるんじゃないかな。FLASH BACKを大造のこの店でやるのはもちろん初めてだし、楽しみにしてるよ。スペースの狭さも、オーディエンスと親密な関係を作れそうですごく面白い。7時間そんな音楽をプレイし続けるのはそう簡単じゃないけどね。でも、そこから色んな気持ちが生まれるんだ。音楽に寄り添いながら、いろんな経験をしてきたからね。 |
<H>今日はマイケル・ジャクソンの曲もプレイするつもり?
<L>もちろんさ!楽しみにしててくれ。(注:この日はマイケルが亡くなった直後。実際にルイはピークタイムに「スリラー」をかけ、フロアを熱狂させた)
●少し前の話になりますが、グラミー賞の獲得は、あなたにとってやはり大きな経験でしたか?受賞が決まった時の気持ちはどうでした?
<H>3年前だね。最高だったよ!あの賞は自分のためじゃなく、みんなのために獲ったんだ。俺はアンダーグラウンドミュージックを本当に愛してるから。でも、受賞の瞬間は信じられなかったよ。カミさんと友達をグラミーの会場に連れてって「あ、あのスターがいる!」とか騒いでたくらいだからね(笑)。名前を呼ばれた時、3,000人くらいの前でパトリース・ロシアンやダイアナ・リーブなんかがオーケストラを歌っててさ。素晴らしかったよ。
<H>何回もノミネートされてたんでしょ?
<L>ノミネートは5回くらいされたかな。MASTERS AT WORKで3回、LOUIS VEGAで2回。MASTERS AT WORKのためには本当に頑張ったから、グラミーを獲得できなかったのは残念だね。ケニーとみんなのために獲りたかった。
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●ありがとうございます。今夜は僕らも楽しませてもらいますね!
<L>ありがとう。ヨーロッパじゃ、レストランがクラブになったりするよね。夜にはライティングとかも変わって。今夜はどうだろうね?ライティングも変わってきたし、音も良いし、人もザワザワしてるし。夜はラウンジじゃなくなるのかな?楽しみだな。昨日遊びに行ったループでも、お客さんやバーテンダーが「明日楽しみにしてるよ」って言ってくれてさ。うれしかったよ!最後に言いたいことがあるんだけど、いいかな? |
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| 大造には、本当に感謝してるよ。彼が世の中へ与えてくれたものにも(注:この日ミクロコスモス・プロデューサー村田大造は海外出張により不在)。彼は生粋のクラブカルチャーの男で、俺と同じ場所にベースがあって。もうイエローはないけれど、エアーにもイエローと同じようなヴァイブスを感じることができるし、これからもっと活躍してほしい。彼はスピリットをもってるからね。 |
LOUIE VEGA
ケニードープとのユニットMASTERS AT WORKやソロ活動で、ハウスミュージックシーンの中心に君臨してきた、まさにリビングレジェンド。06年、グラミーのベスト・リミキサー賞を獲得。
ヒサ イシオカ
単身ニューヨークへ渡り、KING STREET SOUNDSを設立。LOUIE VEGA、DAVID MORALES、FRANCOIS.K等ビッグアーティストのリリースを行い、世界No.1ハウスレーベルの評価を築く。
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